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1: 名無しさん 2014/04/14(月)19:55:11 ID:WyhLNdKby

第一話「大瀬良、就職」

真っ赤な内装が特徴の広島の一流イタリア料理店、カーサ・デ・カルピオ。
この店は、30年ほど前に日本一のリストランテに選ばれ、某ガイドブックで3つ星を獲得したこともあるほどの名店である。
しかし、ここ数年は3つ星どころか1つ星すら獲得できていない。星を奪回するのはこの店の悲願なのである。

そして今日、この店に一人の男がやってきた。大瀬良大地、22歳。九州の調理師専門学校でイタリア料理を専攻し、各地の一流レストランから誘いを受けた。
しかし大瀬良は運命の赤い糸に引き寄せられ、この店の厨房に立つことになった。
これは大瀬良大地の友情と涙とイタリアンな日々の記録である。

引用元: http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1397472911/

2: 名無しさん 2014/04/14(月)19:55:50 ID:WyhLNdKby
〈支配人室〉
大瀬良「今日からここで働かせていただく大瀬良です!支配人、よろしくお願いします!」
支配人は大瀬良が来てくれた喜びからか、満面の笑みを浮かべて答えた。
ノムケン「よろしく。早速君には大竹の元で見習いをやってもらう。早く一人前の料理人になれるようがんばってくれ。期待しているぞ。」
大瀬良「(大竹さんって誰だろう)わかりました!頑張ります!」

支配人室から出ると、一人の男がニヤケながら大瀬良に話しかけた。
???「おーい大瀬良くーん」
大瀬良「はい!あっはじめまして大瀬良ですよろしくお願いします!」
大竹「この店で前菜を担当している大竹です。今日から一緒に頑張ろうね」
大瀬良「(この人が大竹さんか、優しそうな人でよかった)はいよろしくお願いします!」

こうして大瀬良は一人プロフェッショナルな世界に身を投じたのであった。 つづく

3: 名無しさん 2014/04/14(月)19:57:57 ID:WyhLNdKby
第二話「大瀬良、再会」

無事イタリアンの世界にプロ入りした大瀬良は見覚えのある顔を見つけた。
大瀬良「あっ今村!」
今村「大瀬良!久しぶりだな!」高校生時代、大瀬良と今村の二人はライバルとしてしのぎを削った。高校卒業後今村はすぐにこの店に就職したのだ。

4: 名無しさん 2014/04/14(月)19:58:46 ID:WyhLNdKby
大瀬良「高3の長崎県大会以来かー、ずいぶん前だな」
今村「あの時からお前は違うなと思ってたよ、とにかく担当は違うけれど同じ店で働くからには3つ星レストラン目指して頑張ろう!」
大瀬良「おう!」
ちなみに今村の担当はリゾットである。それなりに美味いリゾットを作るようだ。 つづく

5: 名無しさん 2014/04/14(月)20:01:19 ID:WyhLNdKby
第三話「大瀬良、別れ」

大瀬良がこの店で働いておよそ一か月が経ったある日、彼は閉店後一人厨房にいた。
大瀬良「よし今日も練習だ、えーとパプリカ1個、ナス…あれ、大竹さんにもらったレシピどこにやったっけ」
今村が青い顔をして厨房に入ってきた。
今村「おい大瀬良!これを見ろ!」

6: 名無しさん 2014/04/14(月)20:01:59 ID:WyhLNdKby
大瀬良「週刊イタリアン?…『リストランテ・ビッグエッグ、広島・大竹を獲得』、だって!?これ東京の超一流レストランだろ!?なんでだよ!?」
今村「…。」
梵「大瀬良、ちょっと。」彼は前料理長の東出が失踪したため、今年から料理長を務めている梵。彼はヘビースモーカーである。
大瀬良「…あ、はい!」
大瀬良は廊下に呼ばれた。

7: 名無しさん 2014/04/14(月)20:02:21 ID:WyhLNdKby
大瀬良「俺が前菜担当になるんですか!?」
梵「…大竹が抜けた今、前菜を任せられるのはお前しかいない。」
大瀬良は目に涙を浮かべている。
大瀬良「…大竹さん、なんで東京に行っちゃったんですか…?」
梵「あいつはもともと関東の人間だからな、前から東京のリストランテで働きたいと思っていたらしい。うちじゃ大した給料も払えないし。」
大瀬良「大竹さん…」

8: 名無しさん 2014/04/14(月)20:03:04 ID:WyhLNdKby
〈回想…〉
大竹「いいかい大瀬良くん、包丁を持つときは猫の手だよ!」
大瀬良「はい!わかってます!」
大竹「あっ大瀬良くんじゃがいもの芽はちゃんと取るんだよ!」
大瀬良「はい!わかってます!」
大竹「いいぞ大瀬良くん、その調子だ!」
大瀬良「はい、ありがとうございます!」
〈回想終了…〉

9: 名無しさん 2014/04/14(月)20:03:44 ID:WyhLNdKby
梵「…とにかく店のためだ、明日から頑張ってくれ。以上」
梵はそっとその場を去った。

大瀬良「がんばります…」
大瀬良は静かにそう呟いた。 つづく

10: 名無しさん 2014/04/14(月)20:04:26 ID:WyhLNdKby
第四話「大瀬良、意気投合」

1か月後
昼休憩の時間、スタッフで集まってまかないを食べていると、料理長と一人の男が入ってきた。
梵「おいみんな、紹介するぞ、新しくうちに入った一岡だ。東京のある一流リストランテで皿洗いとして働いていたそうだが、うちでは料理人としてがんばってもらうつもりだ。じゃあ一言挨拶。」料理長は一岡の背中を軽く叩いた。

11: 名無しさん 2014/04/14(月)20:05:09 ID:WyhLNdKby
一岡「今日からここで働かせていただく一岡です!足を引っ張らないようにがんばります!よいしょ!」
今村・大瀬良「…!」
2人は一岡から何かを感じ取った。
今村・大瀬良「一緒に頑張りましょう一岡さん!」

12: 名無しさん 2014/04/14(月)20:05:38 ID:WyhLNdKby
そのころ…
???「…ということです」
ノムケン「どういうことだよ!うちは大竹を失ったというのに、お前までいなくなったらうちは、うちはおしまいだ!」
???「俺の気持ちが変わることはありません。では失礼します」
ノムケン「…。」
つづく

14: 名無しさん 2014/04/14(月)20:08:20 ID:4SgVFrGcD
マエケン移籍か・・・

15: 名無しさん 2014/04/14(月)20:09:56 ID:WyhLNdKby
第五話「大瀬良、困惑」

大竹がこの店を去ってから大瀬良は毎晩練習を欠かさなかった。そしてひとまずこの店で前菜を任せられる料理人にまで成長した。
大瀬良「ホウレン草のフリッタータあがりました!」
菊池「よーし任せろ大瀬良!」彼はこの店のホール担当の菊池。多少料理をこぼしても気にしない破天荒な料理運びで活躍している。

16: 名無しさん 2014/04/14(月)20:10:27 ID:WyhLNdKby
今村「しかし菊池さん料理運ぶのすごい速いよなー。あれなら野球選手にでもなれるんじゃないか?」
大瀬良「うーん確かに速いけど俺はホールスタッフやったことないからあんまりすごさが分からないなー」
今村「…。」今村は何も言わず下を向いた。
大瀬良「どうした?」

17: 名無しさん 2014/04/14(月)20:11:19 ID:WyhLNdKby
今村「…実は俺一日だけあるんだ。」
大瀬良「えっお前ずっとリゾット担当じゃないのか?」
今村「…。」
その後今村から返事はなかった。
大瀬良「(何があったんだ?)」 つづく

18: 名無しさん 2014/04/14(月)20:12:31 ID:WyhLNdKby
第六話「今村、パワーアップ」
その日の閉店後、大瀬良は着替えながらある男に話しかけた。
大瀬良「なあ九里」
九里「大瀬良、どうした?」彼はこの店の新人ホールスタッフ。彼の父は海外のマイナーなリストランテで働いていたらしい。
大瀬良「今村が一日だけホールスタッフになったことがあるって…本当なのか?」
九里「ああ、大きい声では言えないんだが支配人のミスでそうなってしまったらしいんだ。あの一件は今村にとっては思い出したくない過去らしいよ」

19: 名無しさん 2014/04/14(月)20:13:01 ID:DLs50wCu9
菊池こぼしちゃダメだろwww

20: 名無しさん 2014/04/14(月)20:13:06 ID:WyhLNdKby
大瀬良「そんなことがあったのか…」
九里「今村にその話は絶対にしたらだめだぞ。タブーなんだから。」
大瀬良は九里に軽く相づちを打ち、店を出た。

21: 名無しさん 2014/04/14(月)20:13:07 ID:4SgVFrGcD
D H 今 村

23: 名無しさん 2014/04/14(月)20:14:57 ID:WyhLNdKby
次の日の昼前、大瀬良は店に入って一番最初に今村と目が合い、少し気まずさを感じた。
大瀬良「今村…おはよう」
今村「あっ大瀬良…昨日はごめんな。」今村は申し訳なさそうに続けた。
今村「あのさ俺、実は3年前に支配人に客を偵察してこいとか訳の分からないことを言われて一日だけホールスタッフにされてしまったんだ。その時から監督に不信感を抱いているんだ…」
大瀬良「(自分で言うんだ!)」
そこに長身の男が近づいてきた。
永川「お前、上田利治さんを知っているか?」彼はこの店の魚・肉料理担当の永川。若いころは食事のときにフォークしか使わなかったという伝説を持つ。

24: 名無しさん 2014/04/14(月)20:15:27 ID:WyhLNdKby
今村「永川さん?もちろん知ってますけど…関西のレストランに3つ星をもたらした名支配人ですよね?」
永川「…実は上田さんはまだお前が生まれる前に野村支配人と同じミスを犯しているんだ。知ってたか?」
今村「あの上田さんも!?ということはうちも3つ星レストランになれるということじゃないですか!」
永川は優しい顔で答えた。
永川「そういうことだ!さあ今日もうまい料理を作るぞ!」

25: 名無しさん 2014/04/14(月)20:16:00 ID:WyhLNdKby
今村「はい永川さん!よし大瀬良頑張るぞ!」
大瀬良「おう!(上田さんって誰だろう?)」
大瀬良は胸ポケットからメモ帳を取り出し「上田」と書いた。 つづく

26: 名無しさん 2014/04/14(月)20:16:33 ID:8gfHnxKlJ
ときどき出る小ネタすき

28: 名無しさん 2014/04/14(月)20:16:50 ID:WyhLNdKby
第七話「マエケン、ステマ」
大瀬良はいつものように自主練習を終えて休憩室に戻ると、細身の男が新聞を読んでいるのに気づいた。
大瀬良「あっマエケンお疲れ様です!」
マエケン「おっ大瀬良お疲れ。だいぶ仕事に慣れてきたんじゃないか?」彼はこの店の副料理長の前田健太である。彼は今村も出場した世界大会で優秀料理人賞に選ばれるなど、味のコントロールに定評がある。
大瀬良「はい、おかげさまで」

29: 名無しさん 2014/04/14(月)20:17:23 ID:WyhLNdKby
沈黙がしばらく続いた後、大瀬良は気まずさを解消するためにとりあえず前田の何かを褒めることを会話のきっかけにしようと考えた。
大瀬良「しかしいつも思ってたんですけどマエケンのエプロンっていいにおいしますよね、やっぱ一流の料理人になるには身だしなみからですよね!」
前田は新聞を置いて長ゼリフを始めた。

31: 名無しさん 2014/04/14(月)20:17:53 ID:WyhLNdKby
マエケン「ああこれか?これはな、俺の奥さんに最初柔軟剤がいらない洗剤と聞いて最初はピンと来なかったんだけど、自分が今まで使っていたものとは全然違うんだよ!ふかふかで汚れもすごく落ちてさらにいい香りなんだ!それがこの『エンブリー』。洗濯物を干していてもフローランブーケの香りがしてシーツなど寝る時もとてもリラックスでき…」
大瀬良「(クールな人かと思ってたけど実はよくしゃべる人なんだな)」
マエケン「…まだあまり他では売ってないようで、ここで購入したそうだよ!大瀬良、ここでチェックhttp://honeymall.jp/mall/item/explanation/10013/?pr=b00306&lp=1してくれ!今なら29%OFFでますますオススメだ!」
中崎・戸田「エンブリー最高!」
大瀬良「へえ~そうなんですか!(こんな高級洗剤を使っているなんてやっぱマエケンってすごい!俺ももっとがんばって稼がなきゃ)
大瀬良は満足げな前田を見てそう思った。

33: 名無しさん 2014/04/14(月)20:19:06 ID:WyhLNdKby
第八話「大瀬良、考案」
大瀬良「お腹すいたなー。堂林、なんか余ってないのか?」
堂林「あっこの真っ蟹ポテト余り物だろ、食べようぜ!」彼はメインディッシュ担当のプリンス堂林。前田曰く彼女はいないらしい。
大瀬良がテレビを見ながら真っ蟹ポテトを堂林から受け取った。

35: 名無しさん 2014/04/14(月)20:19:51 ID:WyhLNdKby
大瀬良「またツーベースだよ、やっぱ大谷って化け物だな」
今村「今宮も身長さえあれば二刀流いけたと思うわー、あと広島のどうば…」
2人は堂林が野球に興味がないことを悟り野球の話を止めた。
大瀬良「でもこの店の料理って斬新なもの多いよな、みんなアイディアが豊富なんだな」
堂林「塩ミルクアイスワッフルは今村が考案したし、きしめん風えびおろしパスタは俺が考案したんだよ」

36: 名無しさん 2014/04/14(月)20:21:35 ID:WyhLNdKby
野村祐「俺のホルモンパスタも好評だったんだけどなー」
大瀬良「あっ野村さん」彼はホールスタッフの野村祐輔である。顔がかわいい。
野村祐「なんかお前も考えてみろよ、正式にメニューになるかもしれないぞ。お前長崎出身だったよな、なんか長崎名物を入れたらいいと思うよ」
大瀬良「なるほど~じゃあ…ちゃんぽん風パスタとかどうかな!?リンガーハットのちゃんぽん美味いんだよなー」」
今村・堂林「いいじゃん!早速前田さんに相談しに行こうぜ!」 つづく

38: 名無しさん 2014/04/14(月)20:26:08 ID:sWfGjZ6Xl
ステマじゃなくて露骨な宣伝じゃねーかw

39: 名無しさん 2014/04/14(月)20:44:38 ID:SUcodayna
てっきりエンブリーはマエケンシェフオススメのワインかと

43: 名無しさん 2014/04/14(月)20:50:35 ID:WyhLNdKby
第九話「横山、興奮」

大瀬良たちは店のことについて休憩室で雑談をしていた。
大瀬良「そういえばこの店に一番長くいるのって誰だ?」
今村「そりゃあ支配人だろうけど、その次だと石原さん?」石原はこの店でパスタを担当している。昔空を飛べたとホラを吹く悪い癖がある。残念ながら今後話に出てくる予定はない。

44: 名無しさん 2014/04/14(月)20:51:00 ID:WyhLNdKby
堂林「いや、たしか横山さんだったはずだよ、横山さんは高校を卒業してすぐにこの店に入ったからね。それからずっとうちにいるらしい。」
大瀬良「そうか横山さんかー。確かにあの強気なワイン選びは若いソムリエにはできないよなー」
今村「俺らも横山さんくらい長く働けるようがんばろうぜ!」

そのころ横山はワインセラーでビデオカセットを抱えてこう呟いた。
横山「オオッッパイはぁぁあ!うひひ」 つづく

52: 名無しさん 2014/04/14(月)21:28:06 ID:WyhLNdKby
第十話「堂林、失策」

堂林は大瀬良が早めに自主練習を切り上げたあと、堂林は料理を持ってうろちょろしていた。すると顔の大きな男を見つけ、そこへ駆け寄った。
堂林「丸さん新作メニュー作ってみたんですけどちょっと味見してもらえませんか?」
丸「へー…あうまいじゃん!堂林お前ナイスクッキングだよ☆これ実戦で欲しいね!」彼は若き給士長、丸である。客の前ではいたって真面目だが、仕事が終わるとずっと菊池とじゃれあっている。
堂林「美味しいですか?ありがとうございます!」
堂林は嬉しそうに厨房に戻った。

53: 名無しさん 2014/04/14(月)21:28:41 ID:WyhLNdKby
次の日
大瀬良「…あれ?なんか焦げ臭くないですか前田さん?」
マエケン「いや俺鼻詰まっててわかんない」
堂林「…ああ!肉焦げてる!」
梵「コラア堂林!お前今年何回目の失敗だよ!」
堂林「すみません!次は焦げないよう気をつけます!」

54: 名無しさん 2014/04/14(月)21:29:43 ID:WyhLNdKby
また次の日
堂林「よし!仔羊のグリルあがりました!」
丸「ヨイサ!ヨイサ!ヨイサ!」丸が陽気に料理を受け取って出ていった。
しばらくすると丸が慌てて戻ってきた。
丸「コラア堂林!あれまだ中冷たいまんまじゃねーか!お客様怒ってたぞ!」
堂林「すみません!次はちゃんと焼くよう気を付けます!」
…堂林の戦いは終わらない。 つづく

57: 名無しさん 2014/04/14(月)21:54:04 ID:UvzlLeVoa
プロスピまでいれてくるのか・・

58: 名無しさん 2014/04/14(月)22:15:12 ID:WyhLNdKby
第十一話「松山、祖父母孝行」

大瀬良「松山さん、新作のレモンのグラニータ、評判いいですね」
松山「あれか?あれはまあ俺が考えたわけじゃないけどな」
大瀬良「え?そうなんですか?」
松山「あれは常連さんの前田さんのリクエストでできたメニューだよ。お前も知ってるだろ?」
大瀬良「あっ去年までプロ野球選手だった人ですよね!へえーあの人スイーツ好きなんて意外ですね」
松山「あの人若いころはストイックに毎日アイスクリーム食べてたらしいからな、甘党の鑑だよ。いつか俺も一人前の料理人になって鹿児島にいるおじいちゃんとおばあちゃんを楽させてあげたいんだ」

59: 名無しさん 2014/04/14(月)22:15:46 ID:WyhLNdKby
その話を聞いていた料理長梵が冷蔵庫から何かを取り出した。
梵「松山、これ余り物の和牛なんだけどあげるから鹿児島に送ってあげたらどうだ?お前のおじいちゃんとおばあちゃん牛肉が好物だっただろ?」
松山「梵さん…ありがとうございます!俺やったよ!このグラニータと一緒に送ります!」
丸「ハッハッハッ良かったな松山」
松山「おう!」
大瀬良「(あれ?丸さんって松山さんより年下じゃ…)」 つづく

61: 名無しさん 2014/04/14(月)22:21:31 ID:iswbkAbQb
>>59
後輩になめられる松山wwwww

63: 名無しさん 2014/04/14(月)22:25:20 ID:WyhLNdKby
第十二話「鈴木誠也、誤字」

開店前
梵「あっ誠也と大瀬良、ブラックボード書いてきてくれるか」
鈴木誠・大瀬良「はいわかりました!」

大瀬良「誠也、最近がんばってるみたいだな」
鈴木誠「いやまだまだっすよ、たまに厨房に立たせてもらいますけど基本皿洗いですし…」
大瀬良「そんなことないって、お前まだ19なのにこれだけの技術持ってるってすごいよ」
鈴木誠「大瀬良さん…あっ早く書きましょう」

64: 名無しさん 2014/04/14(月)22:25:39 ID:WyhLNdKby
鈴木誠「えーと…トマトとモッシァレラチーズのカプ…」
大瀬良は驚いた顔で鈴木を止めた。
大瀬良「ちょっと待て!お前モッツァレラのツがシになってるぞ!」
鈴木誠「んー…いや俺ツが書けないんすよね」
大瀬良「…小さいツは書けるのに?じゃあツは俺が書くよ」
鈴木誠「ありがとうございます!初めての共同作業っすね!」
大瀬良「ニッコリ(こいつそういう体質なのかな)」
大瀬良はいつもより丁寧にカタカナのツを書いた。 つづく

67: 名無しさん 2014/04/14(月)23:37:59 ID:WyhLNdKby
すいませんまた明日続き書きます

72: 名無しさん 2014/04/16(水)00:32:05 ID:iJSeRjCvy
第十三話「野村、仕事」

客「ちょっとどういうことなの!?もうも料理出てこないんだけど!?」
丸「申し訳ございません。ただ今丁寧に作っておりますのでもうしばらくお待ち下さい」
客「どれだけ焼くのに時間かかるのよ!もう帰るわよ!?」
丸「…。(おい野村!ヘルプ!)」

73: 名無しさん 2014/04/16(水)00:33:48 ID:iJSeRjCvy
ノムスケ「(よし!)申し訳ございません!ただ今丁寧に作っておりますのでもうしばらくお待ち下さい!」
客「あら…あんたかわいい顔してるわね。ふーん、お腹すいちゃったんだけど。」
ノムスケ「申し訳ございません!ではブルスケッタをお持ちいたしますのでもう少しお待ちいただけませんか?」
客「わかったわ…早くしてね」
ノムスケ「申し訳ございません!すぐにお持ちいたします!(ニコッ)」

74: 名無しさん 2014/04/16(水)00:35:50 ID:iJSeRjCvy
丸「やっぱ顔がいいって得だよな」
菊池「しかし丸、さっきの料理いつもより小さくなかったか(変顔)」
丸「いや俺の顔がでかいからや(変顔)」

大瀬良「堂林、後で野村さんにお礼言っとけよ」 つづく

75: 名無しさん 2014/04/16(水)00:38:04 ID:iJSeRjCvy
第十四話「マエケン、暴言」

〈休憩室〉
大瀬良「しかしこの店って歴史古いわりにきれいなままだよな、設備も新しいし」
今村「何言ってんだよ、5年前に移転してきたんだよ」
大瀬良「え?そうなんですか?」

76: 名無しさん 2014/04/16(水)00:39:06 ID:iJSeRjCvy
横山「そうだよ、まああっちはひどかったからな。厨房に換気扇がなかったり、水道管が破裂したり…でもこっち来てから女性客も増えてよかったよな!オオッッパ」
永川「そういえば旧店舗では犬のラッキーを飼ったりしてましたよね、あとはイタチが店に入ってきたり…いやーなつかしいなー!なあ前田?」

77: 名無しさん 2014/04/16(水)00:39:44 ID:iJSeRjCvy
マエケン「最悪でした」
永川「え…」
マエケン「最悪でした(ニコッ)」 つづく

78: 名無しさん 2014/04/16(水)00:41:47 ID:ex0lXGGCe
なんなんやマエケン...

79: 名無しさん 2014/04/16(水)02:01:49 ID:Xn4iKAhez
頑張れ大瀬良君!エースと呼ばれるその日まで!!(デンデンッデデデーン デンデンッデデデン!!)

81: 名無しさん 2014/04/16(水)09:27:42 ID:Xn4iKAhez
カーサ・デ・カルピオ担当一覧

支配人:野村謙
料理長:梵
副料理長:前田健

【キッチン】
前菜:大瀬良
パスタ:石原
リゾット:今村
魚・肉:永川
メインディッシュ:堂林
パティシエ:松山
ソムリエ:横山
担当不明:一岡
見習い:鈴木誠

【ホール】
給仕長:丸
ギャルソン:菊池・野村祐(クレーム担当兼任)・九里

【その他】
常連客:前田智
通りすがり:中崎・戸田

85: 名無しさん 2014/04/16(水)23:10:53 ID:syIjvBPh3
祝大瀬良初勝利age

86: 名無しさん 2014/04/16(水)23:11:06 ID:iJSeRjCvy
第十五話「丸、狼狽」

(カランコロンカラーン)
菊池「いらっしゃいませ、えー失礼ですがご予約…」
???「La prenotazione non si fa anche se io sono spiacente.」
???「Lo farebbe sedersi, fin dal posto di fronte ad una toletta puo essere sufficiente?」
菊池「(あ、これやばいやつだ)」

87: 名無しさん 2014/04/16(水)23:12:02 ID:iJSeRjCvy
丸「(菊池、任せろ!)エー… ヘイ!ドゥーユーハブアリザベーション?」
菊池「(へえー丸かっこいいとこあるじゃん)」
???「Percio, la prenotazione non e fatta.」
???「Non c'e alcun individuo che puo parlare italiano?」
丸「(アカーン!というかこれ何語だよ!ウワー!)」
菊池「…。」

88: 名無しさん 2014/04/16(水)23:12:52 ID:iJSeRjCvy
今村「なんかホールが騒がしいな」
大瀬良「なんでも日本語も英語も通じないお客さん2人が来てるらしいよ」
今村「わざわざ外国の人が広島に来てまでイタリアンを食べに来るのか?」
大瀬良「うーん、誰だろう…」
梵「…。」
梵は手を拭き、厨房から出て店の入り口をちらっと見た。
梵「…?一人は完全に外人だけどもう一人はアジア人じゃねーか?」
梵「あの二人なんかで見たような…」
梵「! 思い出した、あの二人は…」 つづく

92: 名無しさん 2014/04/17(木)10:26:13 ID:Qf0nygSuO
第16話「クロダ、カーショウ、来日」

梵「思い出した、あの二人は…」
梵「寿司職人のH.クロダとC.カーショウだ!」
梵「ヨーロッパで初めて星を獲ったスシレストランで働く職人として有名な2人がどうしてうちに?」

93: 名無しさん 2014/04/17(木)10:40:29 ID:Qf0nygSuO
〈店の入り口〉
菊池「(とりあえず、今日は平日だし、特別に入れてあげていいんじゃないか。なんかこの2人すごい人のような気がする、野生の勘だけど)」
丸「(そ、そうだな、そうするか)オーケー、カモン!レッツイート!」
カーショウ「Grazie! Gia e probabile che lui abbia fame e e probabile che muoia di fame a morte!」
クロダ「Non dovrebbe morire di fame a morte!」
カーショウ、クロダ「HAHAHA!」
丸「(仲いいなこの人たち)」

94: 名無しさん 2014/04/17(木)11:22:59 ID:Qf0nygSuO
〈店の隅のテーブル〉
丸「オーケー、ユーシュッドセレクトヨアパスタ、ユーキャンセレクトワンパスタ、インスリーパスタ(訳…この3種類のパスタのうち1つ選んでください。)」
クロショウ「…。」
丸「(やっぱ通じてないのかな…)」
クロダ「Non c'e niente usando pesce fresco e molluschi?」
カーショウ「Puo fare, se esso una creatura umana sta essendo del paese di sushi?」
丸「(やばいsushiしか分からん…ってなんで寿司?)」

96: 名無しさん 2014/04/17(木)17:27:35 ID:zGWFCFGoR
いやこれマジで何語なの

97: 名無しさん 2014/04/17(木)20:29:36 ID:Qf0nygSuO
大瀬良「なんか大変なことになったな」
今村「注文も取れてないみたいだな…」
???「…。」

厨房に、ほかの客の注文を伝えに九里が入ってきた。
九里「えー8番テーブル…」
声を遮るようにある男が九里に話しかけた。
???「九里、ウェイターの制服の代えあったら貸してくれ。俺があの二人の対応をする」
九里「え?…わかりました。」
九里から制服を受け取ると、渋い顔の男は厨房を飛び出していった。 つづく

98: 名無しさん 2014/04/17(木)21:04:43 ID:nJTmqr81Z
どこからどう見てもイタリア語やろ

99: 名無しさん 2014/04/17(木)21:20:42 ID:cE8vE28q3
グラッツェって書いてあるのは読めた
よってイタリア語だろ

100: 名無しさん 2014/04/17(木)21:40:49 ID:Qf0nygSuO
エキサイト翻訳なので何を言ってるかはあんまり気にしないでください


第十七話「石原、予定変更」

〈テーブル〉
???「(丸、ちょっと代われ)」
丸「(石原さん!?なんでその格好!?あともう話には出てこないんじゃなかったんですか?)」
石原「(この2人が急に来たんだからしょうがないだろ、お前は日常会話もできないんだから)」


101: 名無しさん 2014/04/17(木)21:50:37 ID:Zur6GmfGE
お前……ゴリラ語しか話せないはずじゃ……!?

103: 名無しさん 2014/04/17(木)22:42:28 ID:wmNs1q7yM
ちょっと面白くなってきた

104: 名無しさん 2014/04/17(木)23:58:11 ID:Qf0nygSuO
石原「Cosa faceva?」
クロダ「Non c'e alcuna pasta che usa pesce fresco e molluschi?」
カーショウ「Almeno si fara se e un ristorante del paese di sushi!.」
丸「(なんて言ってるんですか?)」
石原「(まあ要するに寿司の国のイタリア料理店なら新鮮な魚介類を使って美しいパスタを作れ、だとさ)」
丸「(そんな無茶な!今日のパスタ3種にはそんなの無いですよ!)」

石原「Io capisco. Siccome fa come ordine, per favore aspetti un piccolo.」
丸「(石原さんなんて言ったんですか?)」
石原「(分かりました、作りますと言った)」
丸「(いや、いったいどうするつもりですか!?)」
石原は何も言わず厨房に戻っていった。

105: 名無しさん 2014/04/18(金)00:09:11 ID:x78asvzsE
インチキの予感しかしないwwwww

106: 名無しさん 2014/04/18(金)00:32:28 ID:NzRj5Oxlx
〈厨房〉
鈴木誠「石原さん、頼まれた品買ってきてあります!」
一岡「石原さん、言われたところまでパスタできてます!よいしょ!」
石原「よし!」
大瀬良「すごい、いつの間に!」
今村「でもサーモンとイクラか、ふつうのパスタじゃね?」
石原は食材を鈴木から受け取ると、まず一岡がソテーしておいたサーモンをパスタに和えはじめた。
そして…
(ガッ) (バババッ)
大瀬良「すごい、これが石原さんにしかできないといわれる『一握の塩』!」
今村「まるで往年の水戸泉を見ているようだ!」
最後にイクラを丁寧に盛り付けると、石原はそれを持って厨房を出ていった。

107: 名無しさん 2014/04/18(金)01:15:54 ID:NzRj5Oxlx
(以下イタリア語です)
石原「お待たせいたしました。サーモンとイクラの冷製クリームパスタ~赤く輝くいちばん星~でございます」
クロダ「おお…イクラが星形に並んでいる!実に美しい!」
カーショウ「でも問題は味だぞクロダ、…おおうまい!さすが寿司の国だ!HAHAHA!」
クロダ「どうだ?これが俺の故郷の味だぜ?」
カーショウ「ああ最高だよ、俺寿司職人引退したらここで働くよ、HAHAHA!」

118: 名無しさん 2014/04/21(月)03:08:10 ID:t6UzI6mMw
2人は出された料理をすべて平らげ、満足そうに席を立った。

〈レジ〉
カーショウ「Esso... e striscia e e 20,000 hanno una gran voglia di. 」
石原「E un 8120 hanno una gran voglia di ritorno.」
黒田「石原、お前の料理、うまかったぞ」
石原「黒田さん…!この店には戻ってこないんですか」
黒田「俺の握る寿司を待ってるお客さんがイタリアにいるからな」
石原「…そうですか」
黒田「俺はイタリアンの国で寿司を握り、お前は寿司の国でイタリアンを作る。お互い料理の世界で頑張っていればまた会う時が来るよ。そう遠くない日にな」
石原「…ありがとうございました!」

119: 名無しさん 2014/04/21(月)03:09:02 ID:t6UzI6mMw
〈休憩室〉
大瀬良「よかったですね、満足してくれたみたいで」
堂林「でもクロダさんって日本人だろ、なんでイタリア語しかしゃべれないんだよ?」
大瀬良「まあ、クロダさんって料理に集中するために単身赴任してるらしいからさ、日本語いらないんじゃない?」
今村「なるほど、そこまで料理に対する気持ちがないと星は獲れないのかもな、がんばろうぜ」
大瀬良「おう、俺のとりえは気持ちしかないからな」 つづく

120: 名無しさん 2014/04/21(月)03:32:30 ID:t6UzI6mMw
第十三話「前田、疑惑 前編」

土曜日の午後、大瀬良は休憩時間に今村とデーゲームを見ていた。
大瀬良「野上って今日勝ったら4勝目だよな?しかしこいつのフォームかっこいいよなー」
今村「俺は高崎のフォームが一番好きだな、あとは馬原とか広島ののむ…」
唐突に一岡が大声を出した。
一岡「あっ!みんな、これ見てくれよ!よいしょ!」

121: 名無しさん 2014/04/21(月)03:37:39 ID:t6UzI6mMw
大瀬良「…田中さんの特集じゃないですか!『宝石のように輝く料理』だとか現地でも高く評価されてますね!やっぱ田中さんすごいなー!」
田中とはもちろん田中将大のことである。
今村「あーあ、俺も一流リストランテでリゾット作らせてもらえないかなー(ずん飯尾風)」
堂林「…いやこの店も一流っちゃ一流でしょ、超一流ではないけどさ」
その記事を見て、顔がかわいい方の野村の表情が途端に暗くなった。
大瀬良「どうしたんですか?」

122: 名無しさん 2014/04/21(月)03:39:07 ID:t6UzI6mMw
野村祐「…実はけっこう前に前田さんがイタリアに行きたいって支配人に行ってるのを見たんだ…」

〈回想…〉
マエケン「…ということです」
ノムケン「どういうことだよ!うちは大竹を失ったというのに、お前までいなくなったらうちは、うちはおしまいだ!」
マエケン「俺の気持ちが変わることはありません。では失礼します」
ノムケン「…。」
野村祐「まじかよ…」
〈回想終了…〉

野村祐「と、いうことだ」

123: 名無しさん 2014/04/21(月)03:42:13 ID:t6UzI6mMw
大瀬良「…マエケンが!?嘘だ!」大竹がこの店を去った後、大瀬良がこの店で最も尊敬している先輩は前田であった。大瀬良は野村の言葉を信じられなかった。
今村「…もしそれが現実になったらよいよこの店危ないぞ」
堂林「前田さんの実力はこの店では頭2つくらい抜けてるからなー」
野村祐「今は支配人がやんわり引き止めてるみたいだけど…」
一岡「…イタリア行きは時間の問題かもな」
大瀬良「…。」
堂林「ちょっとお前聞いてこいよ」
大瀬良「えっなんで俺なんだよ」
今村「お前が一番前田さんにかわいがられてるだろ、あとお前俺より年下だし」
大瀬良「いや学年は一緒だろ!」
堂林・今村「いいから行けって」
大瀬良「…わかったよ」 つづく

124: 名無しさん 2014/04/21(月)10:42:21 ID:ZCqX2ZTQk
ほんとのプロ野球選手もいるのか

125: 名無しさん 2014/04/21(月)11:30:36 ID:t6UzI6mMw
第十九話「前田、疑惑 後編」

〈厨房〉
前田はコースメニューの構成を考えていた。
マエケン「…外国のお客さん用の組み立ても考えておくべきだったな」
大瀬良「…マエケン」
マエケン「…やはり最初は意表をついて変化をつけるか、いや逆にまっすぐ勝負…」前田は集中しているようだった。
大瀬良「マエケン!」

126: 名無しさん 2014/04/21(月)11:47:48 ID:t6UzI6mMw
マエケン「!おっ大瀬良、どうした?」
大瀬良「…話は聞きました。イタリアに行くって本当ですか」
マエケン「…!」
大瀬良「どうなんですか、正直に答えてください」
マエケン「…ばれちゃったか。そうだよ。俺はイタリアに行くよ」

127: 名無しさん 2014/04/21(月)11:52:21 ID:t6UzI6mMw
大瀬良は涙目で質問を続けた。
大瀬良「…いつからですか」
マエケン「二週間後の火曜日、だな」
沈黙がしばらく続いた後、今度はマエケンから大瀬良に質問した。
マエケン「お前も来るか」

128: 名無しさん 2014/04/21(月)11:53:27 ID:t6UzI6mMw
大瀬良「…!?」大瀬良自身、確かに一人のイタリア料理人として本場イタリアへの強い憧れがあった。しかし…
大瀬良「…それはできません。僕はまだここで料理を作る責任がありますから」
マエケン「固いことをいうやつだな、いいだろ忙しい週末はちゃんと働くんだから」
大瀬良「…は?」

129: 名無しさん 2014/04/21(月)11:54:24 ID:t6UzI6mMw
マエケン「0泊3日だよ、お前の休みなら俺が頼んでやるよ。」
大瀬良「マエケン…!0泊3日でイタリアってガキ使じゃないんですからぁ…!」
マエケン「お前なんで泣いてんだよ(…かわいい)」
こうして大瀬良と前田は2人でイタリア旅行に行くことになったのである。 つづく

130: 名無しさん 2014/04/21(月)12:21:22 ID:t6UzI6mMw
第二十話「大瀬良、上陸」

〈イタリア ローマ〉
(オーソーレミーオー…オーソーレミーオ…)
大瀬良「着きましたねマエケン!さてどこに行きましょう?0泊3日ですからあんまり回れませんけどね、あっローマの休日見たことあります?真実の口とかスペイン階段は行きたいですよね、あとはトレビの泉やコロッセオやサンピエトロ広場や…」
マエケン「俺についてこい、俺はもうプラン立ててあるから」
大瀬良「え?…わかりました」

131: 名無しさん 2014/04/21(月)12:22:52 ID:t6UzI6mMw
1時間後
大瀬良「こんな街の郊外まで来てどこに行くつもりですか?」
マエケン「もう少しだ…あった、あれだ」
大瀬良「?…って、イタリアンレストランじゃないですか!中心街にも店いっぱいあったでしょう!」
マエケン「いいから入るぞ」

132: 名無しさん 2014/04/21(月)12:24:20 ID:3lQDPAcLL
なんでやノムケンだってかわいいやろ!

133: 名無しさん 2014/04/21(月)12:27:08 ID:t6UzI6mMw
大瀬良「でも今まで作ってばっかりで本格的なイタリアンを食べるのは久しぶりかもしれませんね」
マエケン「…。」

しばらくして
大瀬良「ほら、アンティパスト(前菜)が来ましたよ、カルパッチョですね。…うん、おいしいですね」
マエケン「…。」

大瀬良「プリモ(パスタやリゾット)が来ましたよ、これもおいしそうですね!

マエケン「…。」
大瀬良(なんで食べないんだろう、何も言わないし)

大瀬良「セコンド(メインディッシュ)が来ま…」
マエケン「…!」
大瀬良(表情が変わった!)

134: 名無しさん 2014/04/21(月)12:29:31 ID:t6UzI6mMw
前田は今日初めて料理を口に運んだ。
マエケン(…!)
マエケン(くそ、また成長している!俺がどれだけ努力しても…こいつには届かないのか!)
大瀬良(こんなに美味しいのに険しい顔をして…マエケンは何を考えてるんだ…?)

135: 名無しさん 2014/04/21(月)12:30:09 ID:t6UzI6mMw
マエケン「大瀬良、帰るぞ」
大瀬良「いやでもまだ一口しか」
マエケン「帰るぞ」
???「待てよ」
大瀬良「日本語?…た、田中将大さん!」

136: 名無しさん 2014/04/21(月)12:32:42 ID:t6UzI6mMw
田中「ホールスタッフに料理に全く手をつけない変な日本人がいると言われて、すぐにピンと来たよ、お前が来てるって。」
マエケン「…。」
田中「俺の料理は一口食べたんだろ?どうだった?」
マエケン「…俺の完敗だ」
マエケン「あんなにうまい料理、今まで作れたためしがない。(頬が)鋭く落ちたよ。」
田中「…。」

137: 名無しさん 2014/04/21(月)12:37:17 ID:t6UzI6mMw
マエケン「でもこれで気持ちが固まった、俺は近いうちにこっちに来る。」
大瀬良「マエケン…!!」
田中「ダメだ」
マエケン「…!」
田中「お前言ってただろ、ズームズームを3つ星レストランにするって。俺は日本で自分の店に3つ星をもたらすという夢を果たし終わったからこっちに来たんだ。だからお前も…」
マエケン「お前に何が分かるんだよ」
田中「…。」
マエケン「お前の店は田中将大という大エースがいたおかげで3つ星を獲れたんだ。うちのナンバーワンは俺だが、俺にはお前ほどの実力も才能もない。うちが3つ星を獲るなんてはなから無理なんだよ!!」
そう言い終えた後、前田は号泣した。 つづく

141: 名無しさん 2014/04/21(月)13:58:42 ID:t6UzI6mMw
ごめんもうちょっと

第二十一話「大瀬良、ギャンブル」

どれくらい経ったろうか、前田ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たい椅子の感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、厨房で食材の確認をしなくちゃな」前田は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、前田はふと気付いた
「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」
休憩室から飛び出した前田が目にしたのは、店の隅まで埋めつくさんばかりの客の声だった
どういうことか分からずに呆然とするその背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「マエケン、仕込みの時間だ、早く行くぞ」声の方に振り返った前田は目を疑った
「き・・・衣笠さん?」  「なんだ前田、居眠りでもしてたのか?」
「や・・・?山本支配人?」  「なんだ前田、かってに山本さんを引退させやがって」
「江夏さん・・・」  前田は半分パニックになりながら担当表を見上げた
料理長:山本浩 副料理長:前田健 前菜:江夏 パスタ:衣笠 リゾット:高橋慶 肉・魚:大野・北別府 ドルチェ:ギャレット
暫時、唖然としていた前田だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「美味い・・・美味いんだ!」
山内からフライパンを受け取り、厨房へ全力疾走する前田、その目に光る涙は・・・

142: 名無しさん 2014/04/21(月)14:01:07 ID:t6UzI6mMw
???「おい前田、いい加減に起きろよ」
マエケン「ん…?なんだ夢か…」
山本浩「おうやっと起きたか」
マエケン「や、山本浩二さん!?」
衣笠「もう半日ほど寝てたんだぞ」
マエケン「衣笠さん!?」
衣笠「前田君、本当にカルピオを去るのか?」
マエケン「衣笠さん…あの店で働いていては僕の夢が叶わないんです。僕の夢は3つ星レストランで世界一美味しい料理を作ることなんです!」
山本浩「ならカルピオを3つ星レストランにすればいいじゃないか」
マエケン「山本さん、3つ星レストランになるっていったってうちには1つも星がないんですよ!それに、さっき言いましたけどうちには大エースがいないから無理なんです!」

143: 名無しさん 2014/04/21(月)14:02:24 ID:t6UzI6mMw
大瀬良「…俺が、大エースに、なります!」
マエケン「お前じゃ…」
大瀬良「ならマエケン、俺と賭けをしましょう。うちには今年中に必ず星が付きます。それが達成できたらうちに残ってもらいます。もし達成できなかったらイタリアでもどこでも行ってください」
マエケン「…。」
マエケン「…わかりました。なら大瀬良の言う通り、海外のことはいったん忘れてうちに星が付くよう頑張ります。」
大瀬良「マエケンさん…!」
マエケン「…田中、早速だけどさっきの料理、教えてくれないか」
田中「おう、マスターして帰れよ。まず人差し指と中指を広げて…」

144: 名無しさん 2014/04/21(月)14:03:58 ID:t6UzI6mMw
衣笠「大瀬良君、がんばれよ」
大瀬良「ありがとうございます、じゃあ自分も厨房に…」
山本浩「まあ待てよ、ちょっと昔話聞いてけよ」
大瀬良「え…はい」
山本浩「あれは35年前の秋だな、『江夏の21皿』と呼ばれる奇跡が…」
大瀬良は笑顔でレジェンドの話を聞いていた。 つづく

145: 名無しさん 2014/04/21(月)14:05:48 ID:t6UzI6mMw
第二十二話「大瀬良、成長」

その年、結局なんやかんやで星を獲ることはできず、前田は田中同様破格の給料を提示され、イタリアへと旅立った。

〈休憩室〉
大瀬良「くそ、がんばったのになあ…マエケン…」
今村「カープは日本シリーズまで行ったのになあ…でもお前この一年で本当に成長したよなー、もうお前前田さんレベルにまで来たんじゃないか?」
大瀬良「いやそんなわけ…」
梵「大瀬良、ちょっと」
大瀬良「…あ、はい!」

146: 名無しさん 2014/04/21(月)14:06:30 ID:t6UzI6mMw
大瀬良「俺が副料理長になるんですか!?」
梵「…マエケンが抜けた今、副料理長を任せられるのはお前しかいない。」
大瀬良は目に涙を浮かべている。
大瀬良「がんばります!」 ―終―

147: 名無しさん 2014/04/21(月)14:16:02 ID:teb5zQCFA
面白かったで

160: おんJ民◆u85QFzqFHGlj 2014/04/23(水)03:02:08 ID:q78KIHxTU
完結乙 楽しませてもらったやで