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1: 名無しさん@おーぷん 2017/10/02(月)23:59:10 ID:p1y
――ピチャッ

暗闇の中から音がした。冷たい液体が鼻先を濡らす。その感触に男は目をさました。
ん…?どこよここ?
瞼を開いた男は驚く。タイガースの監督として来期に向け先程まで若手を指導していたはずであった甲子園の魔物に肩を奪われた男、浪速の百鬼丸ことどろろ知憲の瞳に映ったものは見慣れた鳴尾浜練習場の天井ではなかった。暗く錆び付いた無機質な鉄の壁が視界に広がっている。
動かないわね動けない……
金本は体を動かそうとしたが体は動かない。気づくと椅子に座らせられ両手を背もたれにロープのようなものでくくりつけられていることがわかった。
誰かいないのー!新井ぃ!原口ぃ!大山ぁ!
金本は咄嗟に愛弟子である新井と原口そしてリトルビッグカネモットこと大山悠輔の名前を叫んだ。

金本監督…
すると真後ろから声が聞こえた。
誰よ!?
そう金本が叫ぶとコツコツと靴音が後ろから近づいてきた。やがてその靴音の主が金本の視界に入った。
君は…藤浪くん?
金本はさらに驚き眼を見開いた。藤浪晋太郎……大谷と並ぶ才能をもちいずれ虎のエースになるはずだった男がそこにいた。
心配したわよ。藤浪くんどこにいってたのよ!
藤浪は去年の日本シリーズで魂の334球を投げきりチームを日本一に導いたあと行方をくらましていたのだ。
警察の手をもってしても見つけることのできなかった彼がいま金本の目の前にいる。

と、とりあえず助けて欲しいわね。拘束を解いて貰えるかしら?
色々な出来事に困惑していた金本であったが藤浪の顔を見たことでなんとか気持ちが落ち着いた。
……わかりました
風邪でも引いているのだろうかしわがれた声でそういうと藤浪はどこからかノコギリを取り出した。
ん?
金本はある違和感に気付いた。それはロープを切るためにわざわざノコギリを使うことにではない。その違和感は藤浪の顔にあった。
藤浪くん……?どうしたのその顔……?
よく見ると藤浪の顔は裁縫されたボロ布のようにつぎはぎだらけだった。おまけにその皮膚は萎びた〇ン〇マのようにはしわくちゃである。まるでとってつけたかのような顔の藤浪に金本の心には強烈な不信感と恐怖心が生まれた。
藤浪くん?本当に藤浪くんなの?
その問いに藤浪のようなものは答えない。男はただゆっくりと金本に近づいた。

引用元: http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1506956350/

4: 名無しさん@おーぷん 2017/10/03(火)00:01:32 ID:X1M
しれっとヤネキ語にするのは草

6: 名無しさん@おーぷん 2017/10/03(火)00:12:04 ID:vRJ
すこ

8: 名無しさん@おーぷん 2017/10/03(火)00:40:41 ID:WFU
初遭遇

5: 名無しさん@おーぷん 2017/10/03(火)00:01:55 ID:kVi
このシリーズ大好き