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1: 俊也 2015/09/16(水)20:49:11 ID:ONe
彡(゚)(゚)「おかしいでホンマ・・・・ワイは未来の知識を聞かれるままにちゃんと教えたったで・・・・・」
彡(゚)(゚)「戦争を防ぐ方法は、いろいろあったやろ・・・・・」
彡(゚)(゚)「結局、歴史の流れは止められなかったってことかいな・・・・」

2: 俊也 2015/09/16(水)20:49:53 ID:ONe

3: 俊也 2015/09/16(水)20:52:16 ID:ONe
1950年6月25日 北朝鮮、韓国間38度線国境付近 午前4時

「おい・・・おきロッテ」
「あ?どうしたデホ?」
「なんか物音しないか?轟音っていうか・・・・」
韓国軍の警備兵たちが待機所の外に出ると・・・・・
前方の草原を埋め尽くす、鋼鉄の猛獣の群れ!!
「ぎええええええ!?」
ソビエト連邦製の「鬼戦車」T-34であった!!
「き、北だ、北の連中が攻めてきやがった!!」
「ほ、本部にれんら・・・・・ぐああああああ!!」


5: 俊也 2015/09/16(水)20:55:04 ID:ONe
奇襲6時間後 38度線より南に8キロ
「北の戦車軍団・・・・もうこんなところに・・・・・」
「逃げるな!!戦え!!逃亡する奴は撃ち殺す!!」
「ひいい無理っすよ!!」
「ロクな対戦車装備もないのに・・・・あああああああ」

一人の韓国兵の前に、ひき殺さんばかりの勢いでT-34が迫る。
「ひいいいいいいいいい!?」
次の瞬間、T-34に高速で飛来した砲弾が命中し、爆発する。
「・・・・・・・・!!」
鋭い飛翔音が立て続き、次々と、他のT-34も血祭りにあげられていく

後方に見えるのは、あれは・・・・・・
「に、日本軍だ!」
「高射砲を一斉に水平射撃したのか!」

6: 俊也 2015/09/16(水)20:56:32 ID:ONe
「助かったあー!!」
「い、今のうちに逃げ・・・・うっ?」
上空から、耳をつんざく爆音。
北朝鮮空軍のIL-10シュトゥルモビク!
機銃掃射と爆撃を繰り出し、韓国兵を次々となぎ倒す・・・・
「空からもかよ!!」
「ひいいい助けて・・・・・」
が・・・・次の瞬間・・・・・上空から降り注ぐ火箭に、火だるまとなって落ちていくシュトゥルモビク・・・・・
(´・ω・`)「間に合ったか・・・・みんな今のうちに逃げろ!」
大日本帝国〝空軍”烈風54型・・・・2500馬力の水星エンジンを積む、レシプロ戦闘機の極致ともいえる機体が、韓国兵たちにとっての救世主となった。




はしゃぐ兵士たちの中で、一人指揮官は複雑な表情であった。
「あの戦争が終わってからも、国連軍の名目でわが国土に居座っていた日本軍に・・
・・結局は助けを求めることになるんだろうか・・・・?」

9: 俊也 2015/09/16(水)21:02:04 ID:ONe
翌6月26日 ソウル近郊。
「しかし時間の問題だな戦線崩壊も・・・・。後退する時間を稼ぐが精いっぱいだ」
国連派遣軍司令官 栗林忠道大将は、戦闘指揮車内の作戦地図を睨みつつ、そうひとりごちる。
「まさか本当に、こんな大兵力で仕掛けてくるなんて・・・・
どうなってしまうんだ・・・・・・」
韓国軍参謀総長チェ・ピョンドクは、巨体に似合わぬ心細げな声でそう言った。
「お気を確かに。まずは現状を認識しましょう。彼らは全速力で首都ソウルを目指してくる。
それを完全阻止することは難しい。
政府首脳と、何より市民の避難を呼びかけねば・・・・」
「う・・・うむ、そうですな」

11: 俊也 2015/09/16(水)21:04:05 ID:ONe
同日 大日本帝国 大阪
彡(゚)(゚)「よっしゃ!景浦チャンスやでー!逆転ホームランの時間だああああ!」
J( 'ー`)し「あんた!ロクに働きもせず、昼間っから酒飲んでラジオの野球かい!いい加減稼いで来たらどうだい!」
彡(゚)(゚)「あーおかん、軍人年金出てるからヘーキヘーキ。
そのうち自叙伝とかで本もだしたるからさー・・・・・よっしゃあ!ホームラン!!グビグビ」

13: 俊也 2015/09/16(水)21:14:18 ID:ONe
ノックの音
彡(゚)(゚)「誰や?」
「失礼!南慈英やきう退役大尉殿でいらっしゃいますな!?」
彡(゚)(゚)「そうですが、お兄さん方は!?」
「・・・・・非常時につきお許しを。御免!」
みぞおちに一撃
彡(゚)(゚)「ほげえっ!」
気絶。
「車に乗せろ!連れていくんだ!」
J( 'ー`)し「まあ!廃品回収ご苦労様です!生命保険もかけてますから心置きなく・・・(何するんですか!うちの大事なムスッコを!)」

14: 俊也 2015/09/16(水)21:27:05 ID:ONe
彡(゚)(゚)「ん・・・・どこや?ここは?」
「貴様南慈英!気が付いたか!」
彡(゚)(゚)「ファッ!?飛行長やないですか!」
「いまは空軍大佐だ!」
彡(゚)(゚)「い、いったいなんなんすか、これは!?どういうことですか!?」
「・・・・・わたしから、話そう」
彡(゚)(゚)「お・・・・・小沢・・・・長官。確か今は空軍総監・・・・」
「久しぶりだね。南慈英大尉。
・・・・実は、君の未来の知識の通り、北朝鮮が38度線を破って侵攻してきてな・・・・」
彡(゚)(゚)「そ・・・・んな」
「君の知識と違うのは・・・・・国連軍主力として韓国を援護せねばならないのが・
・・・アメリカでなくわが日本帝国ということだ。
アメリカは、ソ連、中国と事を構えるのを懸念し、介入には慎重だ。君の歴史のように極東・
・・我が国に駐留しているわけでもないからな・・・・
いずれにせよ、実質日本単独で北朝鮮、および後ろに控えるソ連と矛を交えねばならん!
そのために、君の知識と卓越した操縦技術が、最前線で必要となったわけだ」

15: 俊也 2015/09/16(水)21:34:58 ID:ONe
彡(゚)(゚)「・・・・・お話は分かりました。せやけど今から前線に向かうには時間がかかる・・・」
「心配はいらん!南慈英!」
彡(゚)(゚)「なんすか飛行長!?」
「すでに気付いておろう、ここは大型爆撃機〝連山”の機内だ!」
彡(゚)(゚)「ファッ!?」
ハッチが開く。
眼下に広がる光景は・・・・・・。
「そして最前線、朝鮮半島ソウル近傍上空にすでにきておる!
骨は拾ってやる!心置きなくいってこーい!!」
背中を強く蹴飛ばされる!
背負わされたパラシュートとともに、高速落下!
彡(゚)(゚)  「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!
!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!! )」

17: 俊也 2015/09/16(水)21:44:00 ID:ONe
ソウル金浦空港
韓国、日本の将兵に、民間人も交じり、混乱の様相を呈していた。

「すでに北の機甲部隊が5キロ先に・・・」
「くそ!ソウル市民の避難がまだ途中なんだぞ・・・・」
「残存の戦闘機隊を全部上げろ!少しでも時間を稼ぐぞ!」
「パイロットが足りねえ、くそッ・・・・」
「ん?何だあれは!?」





「落下傘だ!」
「敵の空挺部隊か!?」
「いや、パラシュートに日の丸が・・・」




(´・ω・`)「あ、あれは・・・・・やきうのお兄ちゃん!」






彡(゚)(゚)  「ほげええええええええええええ・・・・ぐおお5接地転回着地イイ!!」
(´・ω・`)「僕たちを助けに来てくれたんだね!お兄ちゃん!」
彡(゚)(゚)  「お・・・・おう・・・・」




韓国兵たちからも歓喜の叫び
「おおっ!」
「この人があの天才撃墜王南慈英さん!」
「お目にかかれて光栄です!」

18: 俊也 2015/09/16(水)21:54:05 ID:ONe
皆さまご無沙汰です
今夜はここまでといたします。
大戦後世界という未知の領域やが、なんとか頑張ってみるやで~

24: 俊也 2015/09/17(木)20:35:16 ID:Kz3
北朝鮮のシュトゥルモビクが、逃げ惑う避難民に襲い掛かる。
「ひいいいいいいいいいいいいい」
「う、撃たれ・・・・・」
次の瞬間、一機のシュトゥルモビクが翼を砕かれる。
彡(゚)(゚)  「久しぶりの空戦や!とにかくやらせはせんでえ!食らえ!」
(´・ω・`)「ようしいくぞう!」
烈風54型が乱舞する!
敵攻撃機を叩き落し、地上部隊に機銃掃射を加え・・・・
韓国軍対戦車部隊の必死の防戦もあり、どうにか敵の進撃速度を鈍らせることに成功しつつあった。

25: 俊也 2015/09/17(木)20:42:33 ID:Kz3
一方、ソウル南方・・・・・・
いち早く、韓国軍参謀総長は司令部スタッフたちと逃げ延びようとしていた。
「ひいい、無理だ無理・・・・あんな大兵力・・・・・。このまま始興まで行って立て直すぞ・・・・」
肥満した体を恐怖に震えさせつつ、参謀総長は唐突にある命令を下した。
「奴らに川を・・・漢江を渡らせるわけにはいかん。あの橋を・・・・人道橋を爆破しておけ!」
「な・・・・まだ避難民が大勢残っているのですぞ!?友軍部隊も戦っていますし・・・・栗林将軍も」
「橋がなくなったと知ったら皆一層パニックに・・・・・」
参謀スタッフたちの進言も、耳に入っていないようであった
「だめだだめだ、とにかく命令だ!爆破せよ!!」

26: 俊也 2015/09/17(木)21:14:11 ID:Kz3

金浦空港
激戦の合間に、烈風54型が次々と降り立ち、燃料と弾薬の補給を慌ただしく行う。


彡(゚)(゚)  「腹も減ったでー、おおっ握り飯!ありがとうやでー」
(´・ω・`)「兄ちゃん、早く食っちまいなよ。僕は先に行ってるよ!」
彡(゚)(゚)  「おう・・・モグモグ・・・・・」

27: 俊也 2015/09/17(木)21:21:30 ID:Kz3
漢江 人道橋近傍 韓国軍指揮所
「何っ!?15分後に爆破だと!?」
工兵監のチャン大佐は目をむいた。
視線のはるか先には、現に避難民でごった返す人道橋・・・・・・。
「んぐっ・・・・・命令とあらばやむを得んか・・・・・準備を!」

28: 俊也 2015/09/17(木)21:49:59 ID:Kz3
一方・・・・・ソウル市内の司令部に残っていた参謀副長以下のスタッフたちの耳にも・・・・爆破の件は伝わった。
「馬鹿な!そのままハイそうですかと爆破などできるか!第一連絡手段がマヒしていて大半の部隊には後退命令すら
届いてないんだ・・・・部隊と市民の後退が終わるまで爆破するなと伝えろ!」
「ははっ!では!」
作戦局長が車に飛び乗り、人道橋へと向かう・・・・・が・・・・・。
道は避難民でごった返していた。
「くそッ!命令にあった時刻まであと3分・・・間に合わん!」

29: 俊也 2015/09/17(木)21:53:49 ID:Kz3
30秒・・・・・・15・・・・8、7、6
「あああああああああ畜生!!!」

3、2、1・・・・・・・。
「?」
爆破?しない?

ようやく爆破指揮所に飛び込む作戦局長。そこには・・・・。
「あなたは・・・・・日本の・・・・」
「自分は日本空軍大佐、国連軍顧問 神崎高志と申します。ある男に慌ただしく頼まれまして、〝出されているであろう”爆破中止命令を
代わりに伝えさせていただきました。まあ緊急時故、いささか強引にこじつけた面もありますが・・・・」
「なんと・・・・お礼を申し上げてよいか・・・・・しかしどうやって我々の意図を・・・・・」
「詳しいご説明はまた後日に。では本官は防空戦指揮の補佐に戻らせていただきます」



こうして、今次戦争序盤に、市民が巻き込まれる悲劇は(すくなくとも一つは)回避されたのであった。

31: 俊也 2015/09/17(木)21:55:25 ID:Kz3
韓国軍は善戦していた。国連軍≒日本軍が各所に配置した88ミリ高射砲の水平射撃が恐るべき威力を発揮し、次々とT-34を屠る。
だが、敵の火力は衰えることがない。
彡(゚)(゚)  「空から見ても・・・・・数がおおすぎるで。ワイの知識以上に・・・・・まさか・・・・」
そして、眼前を高速で動く影・・・・・・。
彡(゚)(゚)  「ファッ!?速い!!」
プロペラのない戦闘機。
洗練された後退翼の設計・・・・・


彡(゚)(゚)  「ミグ15や!!」



レシプロエンジンの烈風では、逃げるのが精いっぱいや!
彡(゚)(゚)  「全機散開!低空を這って逃げるで!!」
歴史が・・・・加速している・・・・。

「市民を逃がしつつ、自分たちも徐々に後退せよ!ソウルは護りきれん!」
栗林中将が各方面に指示を飛ばす。
全軍の奮戦にも関わらす、ソウルを脱出するまでに半数近い兵力が犠牲となった。
そして大勢の市民にも、痛ましい犠牲が発生したのである・・・・・

32: 俊也 2015/09/17(木)21:56:39 ID:Kz3
すんません、本日はこれまでやで・・・・
書き溜めが追いつくよう頑張ります!

37: 名無しさん@おーぷん 2015/09/18(金)17:56:09 ID:GuD
大日本帝国が維持されたままの戦後世界いいゾ~

39: 俊也 2015/09/18(金)20:22:34 ID:asb
ソウル南方 水原 国連軍仮司令部
6月28日
「なに!?ソ連が!?貴官の知識においては後方支援のみで本格参戦はしないはずじゃなかったのか!?」
彡(゚)(゚)  「はい栗林閣下。おそらくアメリカが参戦していないため、
遠慮をする相手も必要もない、ということやと思います。
しかも最新鋭機ミグ15投入となると・・・・かなり本腰かと」
「うーむ、我々だけと思ってナメているというわけか。しかしこうなるとますます事だぞ。」
彡(゚)(゚)  「はい。本土からの増援が届くまでは、国連軍は2個師団のみ・・

・・〝史実”以上の大軍を相手に持ちこたえんといけません」
「かくなる上は、兵力を集中し・・・・・」
彡(゚)(゚)  「はい、史実通りの戦略を、より徹底して行うほかありません」



二人の視線は作戦地図の一点・・・・・・「釜山」の文字に向けられていた。

40: 俊也 2015/09/18(金)20:33:24 ID:asb
熾烈な殲滅戦となるな・・・・・





一機でも、一人でも多く・・

・・・戦力が必要だ・・・・・。








7月中旬 釜山近傍 延日基地

「フン・・・いまさらわれわれなど駆り出してどうするつもりなのか・・・・」
「またまた岩本さん。この西沢をはるかに上回るスコアを出しときながら・・・」
「この武藤!もう一花咲かせてくれる!」
「男村田!再びじゃあ!!」



大東亜戦争、歴戦のパイロットたちが集結しつつあった。

41: 俊也 2015/09/18(金)20:53:38 ID:asb
そして、ミグ15に対抗すべく、彼らが駆使する天空の駿馬は・・・・・
大日本帝国空軍 8式噴式戦闘機〝旋風”
最初の増加試作機と量産機、計42機が急遽フェリーされてきたのである! 

半島の制空権を奪回すべく結成された新生343航空隊・・・・率いるは源田実・空軍少将であった。
「早速だが、貴様らにはひと働きしてもらう!露助に空戦のやり方を教えてやれ!」
「はい!!」

高周波の金属音・・・・ジェット独特の轟音とともに、旋風は次々と発進していく

42: 俊也 2015/09/18(金)21:05:26 ID:asb
「このまま一気に制空権を握るぞ!続けい!」
北のミグ戦闘機隊は、シュトゥルモビクの群れを護りつつ、虚空を切り裂き突進する。
「一時方向!敵機!国連軍・・・というか日本軍かと!?」
「ほう!一応ジェット機は持っていたようだな。しかし精々30~40機だ。
こちらは150機。ものの数ではないわ!」
両陣営のジェット戦闘機隊は、超高速で馳せ違う。
激しい空中戦が始まった。
次々と、機銃弾を叩き込まれ墜ちていくのは・・・・・ミグの方であった。
「なんだ・・・・こいつら!?」
「こんな機動ができるのか!?」
「人間じゃねえ・・・・ぐあああああ!?」

彡(゚)(゚)  「食らえ!空戦機動で大日本帝国戦闘機隊に勝てるとおもうなや!!」
(´・ω・`)「それにしても凄い性能だね!!旋風!!」
彡(゚)(゚) (数年前にワイが渡した簡単な図面をもとに、よくぞまあ見事な機体を
作り上げてくださったもんだぜ。さすが中島飛行機のみなしゃま)

・・・・この日、北朝鮮・ソ連混成部隊は、出撃機体の半数以上を撃墜されるという損害を被り、
思わぬ敗北を喫してしまったのである。

また並行して河川を生かした巧みな防御戦により、国連軍地上部隊も敵戦車数十両を撃破する戦果をあげた。

43: 俊也 2015/09/18(金)21:12:28 ID:asb
「わーかーきちーしおーのよーかーれんのー」
彡(゚)(゚)  「ひひひ、相変わらず村田少尉音痴やなーグビグビ」
(´・ω・`)「もーお兄ちゃん。いくら飲み会だからって・・・・あすも空戦あるんだよ!」
「まあまあ、おんちゃんも飲みなってぐへへ」
(´・ω・`)「赤松さんまでー」
彡(゚)(゚)  「ぐへへ、では脱ぐでえ!!」

激戦は、まだ始まったばかりであった。

50: 俊也 2015/09/19(土)20:34:33 ID:y13
7月下旬 釜山近郊
「前方、敵戦車部隊!」
「高射砲斉射!何としてもここで食い止めるんだ」
「クソッ!数が多すぎる・・・」
北朝鮮T-34の群れが砲を乱射しつつ、驀進して来る。
バッファローの大群のように、それは押しとどめようがないように思えた。

51: 俊也 2015/09/19(土)20:39:52 ID:y13
次の瞬間・・・・吹き飛んだ。
T-34の砲塔が。
「第一小隊、第二小隊。そのまま敵を駆逐せよ!」
T-34より一回り大きな車体。
槍のように伸びた88ミリ砲
帝国陸軍 7式重戦車 チヲであった。
戦車第26連隊隊長 西竹一中佐は、愛用の乗馬鞭を手に、てきぱきと指示を下す。
T-34から当然砲火が叩き込まれるが、余裕でチヲの装甲ははじき返す。
そして高初速88ミリ砲が、容赦ない報復を浴びせ、次々とT-34をスクラップに変えていく。
「ぐおおおっ!?」
「日本の戦車はブリキじゃなかったのか!?」
「まさかあやつら、ナチスドイツからティーガーを!?」

各戦線で、日本軍は北の機甲部隊の攻勢を跳ねのけつつあった
が、押し戻すには至らない。
敵の数が多すぎた・・・・・。

52: 俊也 2015/09/19(土)20:44:00 ID:y13
延日基地

彡(゚)(゚)「くっそー、2機がやられたか・・・・」
(´・ω・`)「これで残り30機切っちゃったよ・・・・」
彡(゚)(゚)「本国からの増援もなしやときついな・・・・対地攻撃の烈風隊もだいぶ削られとるし・・・」
(´・ω・`)「みんなも相当疲労してるしね・・・・・」

53: 名無しさん@おーぷん 2015/09/19(土)21:04:27 ID:76D
硫黄島のお二方が朝鮮戦争に巻き込まれてるのか。
考えさせられるなぁ

54: 俊也 2015/09/19(土)21:13:21 ID:y13
「未確認飛行物体、接近中!」
彡(゚)(゚)「ファッ!?敵さんか!?」
(´・ω・`)「お兄ちゃん!あれ見て!」
彡(゚)(゚)「翼に星・・・・アメリカや!」

F-86セイバー戦闘機 50機が次々と着陸する。

「いい目してんね~」
それぞれのコクピットから、筋骨逞しい男たちが次々と降りてくる。
「アメリカ合衆国 義勇空軍部隊ネオ・タイガース
 ビリー・ヘリントン中佐以下50名!国連軍に合流する!」
彡(゚)(゚)「はえ^~すっごい筋肉」

そして・・・・・
「ミグは我々が引き受ける!日本の諸君は爆撃機と地上目標を叩いてくれ!」
彡(゚)(゚)「かしこまり!」
(´・ω・`)「頼もしいや!さすがアメリカ!」
再び、激烈な空戦・・・・・実質4か国の空軍が釜山の空に入り乱れる。

「(釜山の空から)出ていけぇ!!」
彡(゚)(゚)「死ね(直球)」
(´・ω・`)「対地攻撃はまかせてよ!」

57: 俊也 2015/09/19(土)21:25:48 ID:y13
「空軍は盛り返してくれているようだな」
西中佐は、乗馬鞭をしごきつつ、上空をみやる。
「だが、それにしても数多すぎだろお前ら・・・・」
眼前には、新手の敵戦車軍団・・・・・。
日本の烈風隊は、遠方の別の敵の対処に追われているようだ。
「ジヲも数が揃わねえんだけどな!ここは阻止するしかねえ!射撃開始!」
次々と、叩き潰されていくT-34。しかし、味方の残骸を乗り越え、次々とT-34は殺到してくる。
「いかん、距離が詰まる・・・・抜かれるかもしれん!!」
戦車26連隊の将兵たちの、肝が冷えかけたその時。
上空からオレンジ色の火箭が降り注ぎ、T-34が次々クラッシュする。

「!!」
味方の爆撃機隊・・・・!?

しかし見慣れぬ機体だ。

61: 俊也 2015/09/19(土)21:31:49 ID:y13
日本にもアメリカにもない、合理的で武骨なデザイン・・・・・
「ユーカンス87 シュトゥーカか!ドイツ義勇空軍部隊も来てくれた・・・・・・。」

「それにしても鈍いイワンどもだ」
シュトゥーカのコクピットで、ハンス・ウルリッヒ・ルーデル大佐はそうつぶやきつつ、
新たに翼の37ミリ機関砲の餌食となる目標を求めて翼を翻した。

65: 俊也 2015/09/19(土)21:40:24 ID:y13
釜山橋頭保 国連軍仮設司令部
「態勢は整いつつある。敵は依然優勢だが、反面補給線が伸び切り兵站に難を抱えている・・・・・」
彡(゚)(゚)「おっしゃる通りです栗林閣下。今こそ敵のどてっぱらに、一撃を加えるときです!」
地図上のある一点に、彼らの視線は注がれていた。

71: 俊也 2015/09/20(日)19:38:44 ID:403
朝鮮半島 群山 
日本巡洋艦群からの砲撃、小型空母からの空爆が繰り出されていた。
「日本人ども、ここに上陸してくるつもりか!?」
「釜山を攻め立てている我々を分断するつもりだ!」
それが、ソ連、北朝鮮側の予測であった・・・・・

72: 俊也 2015/09/20(日)19:42:25 ID:403
が・・・・・。

8月31日
日本上陸艦隊が現れたのは、群山のはるか北方、ソウルと目と鼻の先の仁川であった!



73: 俊也 2015/09/20(日)19:45:54 ID:403
「敵舟艇、50隻・・・・いやもっといます!」
「うろたえるな、ここ仁川には対艦砲もそろっておる!2個連隊も配備されておるし・・・返り討ちにしてくれるわ!」
「対艦射撃よー・・・・・・・」

次の瞬間、落雷の音を数倍にしたかのような轟音が響いた。

74: 俊也 2015/09/20(日)19:47:03 ID:403
対艦砲が、防御陣地が、守備隊兵士が、すさまじい爆風に木っ端みじんになって吹き飛ばされていく。
誰もが経験したことのない、圧倒的な火力・・・・・。
「ぎえええええええええええええええ!?」
「な、なんだ、砲撃か!?」
「連隊長殿、アレを・・・・・・・・」
「なんだアノでっけえモノ・・・・」

沖合に浮かぶ、巨大なる黒い影

鐵の城・・・・

大日本帝国連合艦隊旗艦 大和であった!

75: 俊也 2015/09/20(日)19:48:30 ID:403
「月尾島橋頭保、確保!」
「よし!仁川港上陸 状況はじめ!」
・・・・やがて、更地同然となった仁川沿岸部に、次々と日本、韓国混成部隊が上陸していく。
この「黒鉄作戦」はものの見事に成功したのである。
そして、戦況は一変した。

同時並行して発動された「鉄槌作戦」により、釜山から北朝鮮軍はじわじわと押し戻され始めた・・・・・。

77: 俊也 2015/09/20(日)20:05:44 ID:403
ソビエト連邦 モスクワ クレムリン
恰幅のよい髭面の男が、眼前のアジア系の男をねめまわす。



「困るねえ首相殿。これではせっかく多大な軍事支援をしてきたのがパアになるではないか」
「申し訳ございません、スターリン閣下。国連軍・・・・・いや日本軍がこれほどまでに強大だとは・・・・・。」
「所詮は、数年前まで日本の植民地だった国ということかねえ?あまり私を失望させないでくれよ、金日成くん。」
「はい。もちろんでございます!それで閣下、誠に申し上げにくいのですが増援の件を・・・・」


スターリンは鼻で笑った。


「まったく世話の焼ける同志だ・・・・・心配せんでも出してやる。」
「ありがとうございますっ!」
土下座せんばかりに平身低頭する金日成

78: 俊也 2015/09/20(日)20:13:11 ID:403
「その代わり・・・・わかっておる、な・・・?」
スターリンは金日成の肩に手を置いた
「ぎ、御意・・・・・・」

79: 俊也 2015/09/20(日)20:20:37 ID:403
北朝鮮西海岸 東倉里 
山林の奥で、巨大な構造物が建設されつつあった。
北朝鮮兵士が厳重に警備する中、立ち働いているスタッフは多くがロシア人であった。
その中の一人、ユーリ・ハリトン。
あれは、ドイツで開発されていたロケット兵器を大きくしたようなものか・・・・
物理学者としての純粋な知的好奇心をもって、巨大な「それ」を見やっていた。
もっとも、私の仕事は・・・・
「それ」の上に載せるものの方なんだがな。
そちらも、ほぼ完成している・・・・・
アメリカよりも先に・・・、人類に先駆けてこれを実戦使用することには・・・・、
やはり、科学者としての良心の呵責は感じずにいられなかった。

81: 名無しさん@おーぷん 2015/09/20(日)20:54:31 ID:AtO
>>79
あっ・・・(察し)

83: 名無しさん@おーぷん 2015/09/20(日)21:25:28 ID:nKP
>>79
やべぇ.......やべぇよ........

80: 俊也 2015/09/20(日)20:22:16 ID:403
すまん今宵はここまでやで
皆さんのご声援に感謝やで~

82: 名無しさん@おーぷん 2015/09/20(日)20:57:41 ID:33D
まあそうなればそうなるわな

引用元: http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1442404151/